農林水産省東北農政局は令和8年9月16日、いわて門崎丑牧場有限会社(岩手県一関市)が牛肉の販売時に不適正な個体識別番号を表示していたことを確認したと発表した。立入検査の結果、同社が実際には仕入れていない自社牧場の牛の個体識別番号を表示したり、存在しない番号を記載したりしていた。

自社牧場の牛の個体識別番号を不適正に使用して表示された特定牛肉は、令和7年1月6日から2月24日までの間に合計705.8kg食肉卸売業者等に販売された。また存在しない個体識別番号が表示された商品は同年1月10日から2月25日までの間に合計32.3kg販売された。さらに一般消費者向けにも事実と異なる個体識別番号が表示された商品が販売されていた。

農林水産省は同社に対し、牛トレーサビリティ法第18条第2項に基づき勧告を行った。勧告の内容は、現在保持している特定牛肉の個体識別番号を直ちに点検し、適正な表示に是正すること、販売先に事実と適正な番号を伝達することなどである。

勧告では、不適正表示の主な原因として、正しい情報を提供する意識と牛トレーサビリティ制度への認識の欠如があり、不適正表示を防止するための管理体制と商品管理システムに不備があったと指摘された。同社は原因の究明・分析を徹底し、再発防止のための体制整備と従業員教育の実施が求められている。

岩手県においても食品表示法の規定に基づき同社に対する指示が行われている。農林水産省は同社からの対応状況報告書の提出を令和8年10月16日までに求めている。