熊本地震における日本製紙八代工場の煙突倒壊被害について、国土交通省は8月31日に「令和8年熊本地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会」を開催した。有識者による議論をスタートさせ、これまで実施した被害の調査概要を報告した。国土交通省は日本製紙の救助活動完了後、住宅局の担当者と国土技術政策総合研究所などの研究者を派遣し、今後の原因分析に資する被害状況の事実確認を行っている。

大臣は、煙突倒壊被害の再発防止のため、地震や過去の地震の影響、劣化の状況などを含め、倒壊原因をしっかりと調査・検証する必要があると述べた。また、高さ60メートル超の煙突を対象とした全国調査も実施している。

有識者委員会での原因究明結果を踏まえた上で、関係省庁と連携して具体的な再発防止策を検討する方針が示された。その過程で法規制を含めたさまざまな選択肢を検討する可能性があるとしたが、「結論ありきではなく」という条件を付けている。

現行の建築基準法では、一定の建築物や建築設備について経年劣化などの状況を定期的に点検し報告する定期報告制度が設けられている。しかし工場は、不特定多数の者が利用する建築物でも、自力避難が困難な者が就寝する施設でもないため、現行制度では対象外となっている。